プロライターが考える、心に響く「花嫁の手紙」

文章術
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披露宴最大の見せ場といえる花嫁の手紙。

最近では形式張った披露宴を嫌うカップルも増え、手紙は読まないか、あとで親だけに渡すといったかたちも多いようです。

賛否あると思いますが、個人的には「やったほうがよい」と考えます。

とはいえ、何を書いたらよいかわからない!と感じている人も多いことでしょう。

そこで、情報誌出身のライターが、心に響く花嫁の手紙を【ゲスト目線】で考えてみました。

 

手紙を「読む派」「読まない派」、それぞれの意見

「花嫁は披露宴で手紙を読むべきである」と考える人の意見は、次のようなものです。

 

・両親への感謝を述べる数少ない機会だから

・定番だから、無いと物足りない感じがする

・両親や親族が期待している

 

一方、「読まない派」の意見は次の通り。

 

・お涙頂戴的「演出」がイヤ

・皆の前で読むのが恥ずかしい

・感謝の気持ちは両親だけに伝えたい

・特に新郎側のゲストにとっては興味ないと思うから

 

どの意見も、わからなくはないですね。

でも、どちらも「自分たちの気持ち」に寄り過ぎな印象も否めません。

 

新郎新婦はあくまでホスト!

新郎新婦は結婚式の「主役」ではなく、ゲストをもてなすホスト側です。

だから、花嫁の手紙は「両親への感謝を伝える場」ではなく、「エンターテイメントショーのひとつ」として考えるのはいかがでしょうか?

両親に向けて届けるのではなく、会場全体を楽しませるためのひとつの余興ということです。

 

「花嫁の手紙って自己満足じゃん!ゲストのことを考えているからこそ、止めているんだよ」

 

こんな声も聞こえてきそうです。

 

でも、おそらく花嫁の手紙が自己満足といわれるのは、演出そのものではなく、手紙の内容がクソつまんないからそう思われるのです。

 

ありきたりな内容は聞いてて退屈!

花嫁の手紙の基本構成は、三段階です。

 

①導入:両親やゲストへの挨拶

②エビソード

③結び:幸せになる決意など

 

肝になるのは②のエピソード。

しかし、インターネット上に紹介されている文例の多くは、内容が薄いです。

 

「お母さんとは色々な話をしたね、お父さん、この間プリンターを壊してごめんなさい」

 

何を隠そう、これは我が姉の結婚式で披露されたエピソード。

 

 

薄!!!!

 

 

なんで一言私に相談しなかったのか大いに疑問ですが、定型文をコピーしたような手紙ならやらないほうがマシですね。

あと、「ディズニーランドに行った」だの「キャンプに行った」だの、どの家族にも当てはまりそうなエピソードを披露して「楽しかった」と言われても、聞いているほうは「だから何なんだ」としか思いません。

 

「エジプトで家族4人、ヒッチハイクをしたことはいい思い出です」とか、パンチのある話ならともかく。

 

求められるのは感動か笑い

スピーチで求められるのは、①感動・共感、あるいは、②笑いのいずれか。

お笑い芸人の結婚式のスピーチは参考になりますが、笑いを狙うのは一般人にはややハードルが高いですね。

ここは感動と共感について考えましょう。

ではどうすればよいか。「子どもの頃、満たされなかった気持ちに答えがある」というのが、私の考えです。

 

なぜなら、痛みを乗り越えた先にあるメッセージは、多くの人の心を打つものだからです。

大勢の人の前で胸の内をさらけ出すのは勇気がいることですが、取り繕った当たり障りのない言葉に何の価値もありません。

 

あなたの「弱さ」にこそ、あなたらしさがあるのです。

 

子どもの頃の両親との関係を振り返る

このような経験をお持ちの方は、エピソードとして十分使えます。

 

・片親だけど一生懸命育ててくれた

・両親が共働きで、一人になることが多かった

・両親が再婚した

・体が弱くて心配をかけた

・反抗期で心無い言葉を言ってしまった

・コンプレックスがあったけど、親の一言で気が楽になった

 

実例として、思わず会場から歓声が上がった、幼馴染の手紙を一部紹介します。

 

彼女の父親はずっと外国で仕事をしていたので、幼い頃、家族が一緒に過ごす時間はほとんどありませんでした。

母親は実質一人で三人きょうだいを育て、さぞ大変だったことでしょう。

 

お父さんはたまに帰ってきてくれていたけど、小さかったので、正直あまり覚えていません。

でも、彼(新郎)の小さいけれど温かい手は、子どもの頃つないだお父さんの手と一緒なんだよ。

 

寂しさもあっただろうけど、お父さんとの思い出はしっかりと彼女の中に刻まれていたんですね。

 

 

また、結婚式とは関係ありませんが、私が思わず涙した友人のエピソードがコチラ。

 

お母さんは小学校の教師で、いつも忙しく働いていた。

とても寂しくて、「私よりも、他の家の子どものほうが大事なの?」といつも思っていた。

だけど、両親が頑張って働いてくれていたから、私が大学進学や留学できる金銭的余裕があることが今なら分かる。

働くお母さんのことをとても尊敬している。

 

彼女はこの後、自分も教師になるのが夢だ、と話してくれました。

 

さて、いくつかポイントがあります。

 

文章の基本は「情報を伝えること」

文章を書くのが苦手な人にありがちなのが、自分の感情だけが綴られた独りよがりの文章であること。

しかし、その感情を補足する客観的事実や具体例がない限り、聞く人の共感を呼ぶことは難しいでしょう。

 

恨み辛みの言葉はNG

祝いの席なので、「あのとき悲しかった」「嫌だった」とつらつら述べるのは好ましくありません。

「当時の自分にとって望まない出来事だったけれど、その経験があったお陰で〇〇だと気づけた」と繋げると、説得力が増します。

 

立ち直っていることが大前提

恨み辛みにならないためには、今の自分が「満たされなかった気持ち」を克服している必要があります。

したがって、自分の中で折り合いがついていなかったり、どうしても親を許せなかったりする場合は、無理に話さなくて構いません。

私たちは、育ての親から多大な影響を受けているといわれています。

・子どものころ、どんな言葉を言われて育ったのか?

・そのとき、どんな感情を抱いたのか?

・自分は家族の中で、どんな役割を担っていたか?

など、花嫁の手紙は自分の生い立ちを振り返る絶好の機会にもなるでしょう。

 

まとめ

以上、ゲストが聞きたい「花嫁の手紙」の特徴を挙げてみました。

普段文章を書き慣れない人にとっては苦手意識が強いでしょうが、ホストとして「感動のエンターテイメントを提供する」という視点で考えると、ヒントが見つかるかもしれません。

ぜひこの機会に、あなたの内側に眠っている感情を解き放してみてはいかがでしょうか。

 

添削希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡くださいね。

 

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