「他人に興味がない人」がしている盛大な勘違い

文章術
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「他人に興味をもつ」

この言葉の本当の意味を理解している人は、この世にどれだけいるでしょうか?

 

他人に興味のない人は、自分でそれを自覚しつつも、「でも別にこのままでよくな〜い?www」「こんな自分でも愛してくれる人がいるっしょ!」と思っている節があります。

かくいう私もそんな人間でしたが、そもそも前提が盛大に間違っていることに多くの人は気づいていません。

 

  1. 「興味をもって話を聞く」=「相手の話にすべて同調する」であると思っている
  2. どんな話題でも広げられるように、知識が豊富でなければならないと思っている
  3. 「他人に興味津々」=「詮索」であると思っている
  4. 「興味のある人(好きな異性など)が相手だったら興味もてるし。」と思っている

 

社会人全般に言えることですが、特にライター業をされている方なら「他者への興味」は、絶対に身につけておくべきヒューマンスキル。

 

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その障壁となり得る勘違い4選を、順番に分析していきたいと思います。

 

興味=同調ではない

例えば、初対面で熱く釣りについて語ってくる人がいたとして、あなたならなんて返しますか?

 

A.「わかる!私もめっちゃ釣り好き。この間なんてさ〜」

B.「へー、そうなんだー(釣りやったことないからわかんないけど、話合わせとくか……)」

C.「釣りには興味ないのでよくわかりません」

D.「釣りですか。機会がなくて、やったことはないんです。どんなところに釣りに行くんですか?」

 

Cのように「その話興味ないです」なんて、ハッキリ言える人はなかなかいませんね。

でも、Bの回答も、言わないだけで相手にはしっかり伝わっていますよ。

この人、自分の話に興味ないな。」って。

 

そして、Aの回答。一見話題に食いついているようにも見えますが、すぐに自分の話にスライドさせています。

これだけでは判断しづらいですが、実はこのタイプも他人の話に興味がない典型といってよいでしょう。

 

話題に食いついたのは、たまたま自分が興味のある分野だったから「わかるー」と同調しただけ。

まったくの門外漢であれば、おそらくBのように「適当に受け流す」回答をしたのではないでしょうか。

 

もうおわかりでしょうか、この中でキチンと相手に興味を持って受け答えしているのがDのみ、ということになります。

 

話題を掘り下げるために必要なのは知識よりも素直さ

この後に続く質問例としては、以下のようなものがあります。

 

  • 釣り道具揃えるのってお金かかりそう。どのくらいかかるんですか?
  • 今まで釣ったなかでこれぞ!!っていう魚はありましたか?
  • あなたにとっての釣りの魅力ってなんですか?

 

実は、「どこに釣りに行くんですか?」「お金かかりそうですね」という質問は、単に「釣りの情報」を聞き出しているだけ。

一方で、下のふたつは語り手自身にスポットを当て、「体験」や「信念」を聞き出す質問なので、相手も気持ちよく話してくれるし、距離がグッと縮まりやすいです。

 

要は、釣りのことはよく知らないけど、あなたの話に興味がありますよという点が伝われば、なんでもかんでも同調する必要はないわけです。

 

また、知識が豊富であるに越したことはないけれど、すべての話題に対応できる人なんていないじゃないですか。

それより大事なのは、「よく知らないので教えてもらえませんか?」と聞ける素直さだと思いますよ。

 

興味津々=詮索オバチャンではない

黒木華さん主演ドラマ『凪のお暇』でも、他人への興味について言及するシーンがあったんですよ。

私は共感しかなかったのですが、ネットのコメント欄を見ると、「興味ない話に興味もつなんて無理」「なんでもかんでも興味津々な人って、ちょっとウザイ」なんて声が結構ありました。

 

だからダメなんだよお前らは!!!…ってどこの誰だか知りませんが。

 

「興味津々な人ってウザイ」。この言葉を吐いた人の頭に浮かんだのは、おそらく「近所の世話焼きオバチャン」みたいな人ではなかろうかと推察されます。

 

居ましたよね、子どもの頃。

「今日学校で何してきたん?」「友達できた?」「今からどこ行くのん?」

って声をかけてくる近所のよく知らないオバサン。

 

職場なら、やたらプライベートについて質問してくる上司や同僚。

 

彼らになぜ嫌悪感を抱いてしまうかというと、「距離感を無視してグイグイ踏み込まれるから」ではないでしょうか。

 

余談ですが、私も「この前ウチの彼氏がさ〜」とお互いの恋人の有無も知らないのに突然恋愛話してくる人や、初対面で「結婚orお子さんは?」と話の流れ関係なく聞いてくる人は苦手です。

 

このように、「何を聞かれたら嫌か」の地雷は人それぞれ違うので、距離感に応じた質問の仕方は練習が必要ですね。

 

4)特定の人にだけ興味をもてる?

他人に興味がない人の特徴としてよく挙げられるのが、

  • 自分にしか興味がない
  • 親しい人にしか興味が湧かない

というもの。

 

でも、コレ私はだと思います。

 

なぜなら、他人に興味のない人が内心密かに思っているのが、

「アンタの話がつまらないから悪いんじゃん(=私の興味が湧くような話題出せよ)」だから。

 

親しい人との間で会話が続くのは、「単に共通点が多いだけ」だったりします。

女性同士の会話だと特に、盛り上がっているように見えてお互いの話を全然聞いてないことなんてザラですからね。

話題が次から次へと移りやすい人はその可能性が大です。

 

あと、好きな異性の恋愛観とか、自分のことをどう思っているかについては聞き出そうとするくせに、仕事の話やその人が大事にしているもの、価値観についての話をスルーする人。

これでは振り向いてもらえないのは当たり前です。

 

「自分にしか興味がない人」って?

コレも怪しいですよね。

いわゆる「俺が俺が」タイプなんでしょうが、本当に自分に興味があって、自分を客観的に把握できているかどうかは疑問が残ります。

 

自分のことを客観的に把握するとは、次のような質問に淀みなく答えられるということ。

 

  • 自分を一言で表すとどんな人間か
  • 大切にしている価値観は何か
  • 自分の長所と短所、強みと弱みは何か
  • どんな人と気が合って、どんな人とは気が合わないのか
  • 何をされたら許せないのか
  • どんなときに達成感を感じるのか
  • 将来、どんな人間になりたいか

 

私は人に興味をもって話を聞くためのトレーニングでおそらく100人を超える人に会ったと思いますが、残念ながら、「あなたはどんな人間ですか?」の質問にすんなり答えられたのは1割程度しかいませんでした。

 

ではどうしたら答えられるようになるのかというと、正解は「自分に興味をもつこと」。

喜怒哀楽を感じたとき、自分の感情を因数分解していくことの繰り返しでしか正解にはたどり着けません。

 

私は上記の質問に答えられるようになるまで約4年かかりましたが、それでもまだ終わりではないんです。

日々価値観は進化していくものだし、まだ経験したことのない感情が自分の中に眠っているかもしれないから。

 

というわけで、「他人に興味のない人は、自分にも興味がない」とみて間違いないでしょう。

 

まとめ

以上が、「他人に興味がない人が陥りやすい勘違い」です。

  • なんでもかんでも同調する必要はない
  • 情報よりもその人自身に着目してみる
  • 知らないことは素直に教えてもらう
  • 距離感に応じた質問を心がける
  • 自分自身に興味をもつ

これらを意識するだけで、間違いなくあなたの印象はアップします。

 

一生一人で生きていくから味方なんていらない、と思っているなら別に構いませんが、どうせなら好かれたほうがよくないですか?

 

特に初対面の相手には効果絶大ですので、ふだん一期一会を逃しがちな人は、四の五の言わずに試してみてください。