先日、『ケイゾク 特別編 PHANTOM/死を契約する呪いの樹』および『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』を鑑賞しました。
ケイゾクはご存知の通り、後の『SPEC』『SICK’S』に続くシリーズ作品。
堤ワールド炸裂のギャグとSF的要素を含んだ独特の世界観で、現在もなお熱狂的なファンから支持されています。
ここだけの話、私はギャグもSFも苦手な部類。
ケイゾクを見直そうときっかけはSPECの再放送を観たことだったのですが、最初は
「え、刑事ドラマで犯人が超能力者って、なんでもありやんけ!!」
と、馴染むまでに時間を要しました。
しかし、今回鑑賞した特別編と劇場版は、別の意味で「なんでもアリ」だったのでした。
死んだはずの人間が次々生き返る
連続ドラマ『ケイゾク』のラストシーンは、以下のような展開でした。
SWEEP(特殊捜査班)が真山(渡部篤郎)を銃殺
↓
銃の中身はプラスティック弾だったので死なず。隙を突いて朝倉(早乙女:野口五郎)を銃殺
↓
代わりに、朝倉から銃撃された柴田(中谷美紀)が息を引き取る(ように見える)
ちなみに、この前に真山と柴田を助けようとした壺坂(泉谷しげる)と彩(鈴木紗理奈)がSWEEPの斑目(村井克行)に銃殺されています。
コチラもご参照ください。
これが、特別編では
・重傷を負った柴田は意識不明。半年後に目覚めるも、警視庁に入庁後の記憶を一切失っていた
・壺坂を撃った銃はプラスティック弾だったので生きている
・彩も生きている
ことが判明。
柴田は主役だし、彩も一撃くらっただけなので生きていたのはまぁいいとして。
壺坂、車ごと穴だらけだったけど??
ちょっとミスリードが過ぎるのでは……。
特別編『死を契約する呪いの樹』ネタバレ
ちなみに特別編タイトルの意味は、神社の樹に死んでほしい人の名前を彫ると、数日以内にその人は必ず死ぬというもの。
しかし当然呪いではなく、犯人の本当のターゲットを殺しても自分が疑われないようにするためのトリックです。
無線を使って不審な事故の現場にいち早く到着した犯人が、死者の名前を樹に彫ることで呪いに見せかけていた……という、いつもながらアッサリした解決編でした。
とはいえ、正直この話はラスト数分間、柴田が記憶を取り戻した後を描くための長い前フリに過ぎません。
ラストで真山が刺されて血を流しますが、映画版では生きています(案の定)。
美女と孤島と黄泉の国
そして、映画 『Beautiful Dreamer』。
両親を船の沈没事故で亡くした霧島七海(小雪)から、事故の生存者を集めたパーティーを開くとの招待状が届きます。
しかし七海の両親が死んだ理由は、救命ボートに乗ろうとしたのに、定員オーバーにより犠牲になったから。
七海は「あなたたちに殺された」と言い放ち、一人ずつ殺していくと宣言します。
金田一少年の事件簿にも同じ話ありましたね^^
七海が一人で暮らすのは、様々な物が消えていくという伝説の島。
この伝説になぞらえて事件は起こりますが、種明かしは「島のなかに同じお城が二つあって、消えたように見せかけていた」。
また、ここは黄泉の国の入口であるとの言い伝えもあります。
死者が蘇る黄泉の国で、柴田は親愛なる父と親友・麻衣子に、
真山は壺坂と自殺した妹・沙織、そして宿敵・朝倉と再会。
(壺坂は映画の冒頭で亡くなっています)
黄泉の国の出現により、だんだん死んだ人間と生きている人間がごっちゃになってきます。
登場人物が次々と死んだと見せかけて生き返ったりしていたのは、ラストシーンに向けた布石だったのかもしれません。
死後の世界と現世との境界線って実は曖昧なんだよ……みたいな?
朝倉って結局誰なのさ
さて、ケイゾクのキーマンといえばこれまでに何度も名前が出てきた快楽殺人犯・朝倉。
彼は少なくとも
- 他人を自分の意のままに操れる
- 他人の顔を変えることができる
- 次々に他人の肉体や人格を乗っ取ることができる
という特殊能力(SPEC)を持っています。
そんな朝倉の遍歴はこちら。
縦軸は同じ肉体、顔の文字は時期、矢印は朝倉の憑依を表しています。
間違っていたらスミマセン。
その生態は謎だらけ。
- 中学時代の朝倉と成人してからの朝倉は同じ「朝倉」なのか?
- 3年前に顔を変えられたのに、なぜ麻衣子に暗示をかけられた?
- 本物の早乙女管理官とはいつ入れ替わったのか?
- 壺坂と相討ちして死んだんじゃないの?
- 黄泉の国に出てきた朝倉(壺阪)は、生きているのか死んでいるのか
- 二人目の朝倉は誰?
朝倉はこの後の『SPEC』『SICK’S』にも登場するキャラクターですが、まだその全貌は明らかになっていないようです。
結論:20年経ってもよくわからない
放送当時に小学生だったことと、『SPEC』の視聴前だったから理解できなかったのかな?と思い、21年の時を経て再び鑑賞してきた『ケイゾク』。
連ドラ〜映画版まで観た感想としては、
やっぱりよくわからなかった!!
とはいえ、久々に柴田・真山コンビが堪能できて満足いたしました。
これにて完結です。