経験者が語る!ココが違うよ、「ハケンの品格」

ドラマ
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13年ぶりに復活する話題のドラマ「ハケンの品格」。

いよいよ6月17日(水)から放送スタートします!

 

前作が放送されたのは2007年。

まだ学生だったので、お仕事ドラマにあまり興味がなかった私。

リアルタイムでは見逃しましたが、2015年に派遣社員として就業することとなり、その時イッキ見しました。

 

当然ですが、ドラマと現実社会は違います。

しかし、展開を盛り上げるための誇張表現はあるものの、本質的に描いていることは現実社会に通ずる点も。

そこで、派遣社員として5年間で6社を渡り歩いてきたワタクシが、13年前のドラマと現実の共通点と相違点を解説します!

 

ドラマと現実、ココが違う!

最初に申し上げておきますと、放送当時と現代とで若干事情は異なるかもしれませんが、時代背景は一切考慮しておりません。

また、私が就業してきたのは主に出版業界のため、一般企業の事務職および他職種のことは知りませんw

それではどうぞ!

 

相違点①会社側は派遣の時給を知らない

第一話で、勝地涼演じる浅野が、「経理部(総務部だったかな?)に聞いたんですけど、あの人時給3000円らしいですよ」と口にするシーンがあります。

しかし、これは大きな間違い。

派遣社員は派遣先企業(実際に就業する企業)ではなく、派遣会社に雇われているスタッフです。

 

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派遣先企業が派遣会社に給料を支払い、派遣会社はマージンを抜いた分を派遣社員に支払います。

だから、派遣先企業は派遣社員の時給なんて知らないのです。

 

2012年に労働者派遣法が改正され、派遣会社はマージンの公開を義務づけられましたが、派遣社員も、自分の案件で派遣会社がいくらマージンを抜いているかは正確に知りません。

 

ちなみに時給の平均は、編集・ライター職だと1500〜1800円程度。

全職種の平均は大体1600円くらいですかね。英語を使う仕事や、プログラマー系だと2000円を超えることも珍しくありません。

 

ある日偶然知ったのですが、私が時給1750円で働いているとき、派遣会社の取り分は時給2500円でした。

つまり、30%ピンハネされているということになりますね。

 

余談ですが、派遣先でトラブルが起こったとき、派遣会社に相談するのをためらうスタッフはかなり多いです。

でも、それを解決するのが彼らのお仕事。

よほどの問題を起こさない限り、もう次の仕事を紹介してもらえない、なんてこともありません。

自分の居心地をよくするために上手く利用しないと、本当に奴隷になっちゃいますヨ!

 

相違点②初回契約は1ヶ月である

篠原涼子演じる大前春子は、「3ヶ月で職場を去る」ことをモットーとしている派遣社員でしたね。

確かに、派遣社員の契約更新は3ヶ月単位で行うことが多いですが、最初の1ヶ月は「試用期間」として契約することがほとんどです。

これは言わずもがな、使えなかったら即刻クビにするためですね。

派遣社員にとっても、肌に合わなかったらすぐに辞められるので有り難いですが。

 

まぁ春子の場合は、特例として最初から3ヶ月の契約だった、という設定にできなくもないですが、加藤あい演じる新人の森美雪も同様の契約だった点を見ると、そこは無視したのかな。

 

相違点③「35歳定年説」はない!

第6話「涙の残業バレンタイン」では、バレンタインフェアのために、臨時で日雇い派遣を雇うことに。

そのうちの一人が、加藤あい演じる森に「派遣は35歳を過ぎるとパッタリと仕事の紹介がなくなる。若い子しかいらないのよ」と吹き込みます。

 

これに関しては、スキルさえあれば年齢なんて関係ない!と断言できます。

私は「若い派遣」に分類されていたと思いますが、同僚は全員30代半ば〜40代後半でしたよ。

 

ただし、20代の若者社員ばかりの職場に、経験豊富なベテランが入るとなると少し話は変わるかもしれません。

基本的に、派遣は社員のサポート役。

あまりにスキルが高すぎると、若手社員が遠慮してしまうから……みたいな話は聞いたことがあります。

 

ドラマと現実、ココは同じ!

続いて、「こういうことは現実にもある……」と思ったシーンのいくつかを紹介します。

 

共通点①名前ではなく「派遣さん」と呼ばれる

これは職場にもよりますが、身に覚えがある人も多いのでは?

さすがに「ねぇねぇ、派遣さん」と呼びかけられた経験はありませんが、便宜上「これ派遣さんにお願いしておいて」と言っているのが聞こえてきたことは何度もあります。

悪気が無いのはわかっていますが、イラッとするんですよねぇ……。

 

男性に「お前」と呼ばれたら嫌だという女性は多いと思いますが、本質は同じですね。

「派遣さん」「バイト君」という言葉は上から目線だし、「個」を無視した発言だと思います。

 

ドラマで春子が、大泉洋演じる東海林に「正社員さん」と呼びかけているのを観て、いつか真似してやろうと思いました。

 

共通点②契約外のことを平気で頼まれる

第2話あたりで、森美雪が社員のパンを買いに行かされたりするシーンがありました。

あそこまで露骨なことはそうそうありませんが、契約書に書かれていないことを頼まれることは普通にあります。

代表的なものだと、新しく入ってきたスタッフへの指導・教育ですね。

いや、それは社員の仕事だろ!!っていう。

 

こういうときは毅然と抗議することが大切です。

でないと都合よく扱われて終わり。感謝なんてされません。

とはいえ、現場の平社員は派遣社員との間でどのような契約が交わされているかなど知らないので、派遣会社を通して、派遣先企業の上司と話をしてもらうのがよいですね。

 

まとめ

ほかに細かいことを言うと、

安田顕さん優しすぎ、あんな人に営業担当してほしい……とか

評価されているの事務職のスキルと関係ないやん……とか

あんなに露骨に嫌味は言われないよな……とか

いろいろありますが、そこはまぁドラマなので。

 

一般的に、社会的立場が弱いとされる派遣社員。

理不尽なことを言われても飲み込み、我慢するのは、「契約を切られるのが怖いから」「立場が悪くなるのが嫌だから」と思いがちですが、正社員でも会社に対して思ったことをハッキリ言える人ってほとんどいませんよね。

 

仕事はキッチリするけど契約外のことはしない、嫌なことは嫌とハッキリ言う春子のスタイルは「ドラマだから」で済ませるのではなく、少しでも観ている人を勇気づけるものであってほしいなぁと感じます。

 

とにもかくにも、第一話が楽しみです!