『おっさんずラブ2』『3年A組』―2019年ドラマの特徴は“わかりやすさ”?

ドラマ
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「教えて!gooウォッチ」で新年一発目の記事がアップされました。久々のドラマ記事。

イッキ見したい!2019年放送の名作ドラマ5選
昨年12月29日放送の「グランメゾン東京」最終話をもって、秋ドラマはすべて放送終了した。以前、「教えて!gooウォッチ」で「舞台セットやシロさん&ケンジの衣装も展示! 『きのう何食べた?』展が開催!」や「ドラマ放送前のチラ見せもあり! 『時...

記事では紹介していませんが、ほかにも印象に残るドラマがありました。

 

意欲作が続いた日テレ日曜ドラマ枠

去年は、日テレの日曜ドラマ枠が盛況でしたね。

1〜3月▶3年A組-今から皆さんは、人質です-

4〜6月▶あなたの番です

7〜9月▶あなたの番です-反撃編-

10〜12月▶ニッポンノワール-刑事Yの反乱-

 

2015年4月期に新設された日曜ドラマ枠。私はこの枠といえば、2016年4月に放送開始していた『ゆとりですがなにか』が印象に残っています。

当初は「いまいちカラーがはっきりしない枠」という印象で、視聴率も伸び悩んでいたみたいですが、最近はすっかり視聴習慣が定着した感じ。

新ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』は今日から放送開始。これからはミステリー作品を押し出していくのでしょうか?

 

『3年A組』は学園ドラマの新定番に

今日たまたまテレビで観たところ、今の10代にとっては「学園ドラマ」=『3年A組』らしい。

ちなみに20〜30代だと『ROOKIES』や『ごくせん』、40代以降だと『3年B組金八先生』『スクール☆ウォーズ』などが定番ですね。

よく言えばわかりやすい、悪く言えばチープな『3年A組』。

SNSの弊害などをストレートに叫んでおり、それが10代には刺さったみたいです。

どうしてあんなに高視聴率だったのか不思議でしたが、長い文章を読んだり、行間を推察したりする習慣がない今の若い世代にとっては、このくらいストレートなメッセージの方が響くということかもしれません。

 

「文字を読むのが面倒くさい」で、辿りつく先とは?
「読書の秋」も、もはや死語? 日本人の「活字離れ」が叫ばれて久しく、代わりに写真や動画サービスの全盛期である今日この頃。しかし、このまま文字を読まなくなった結果、人間にとって弊害はないのだろうか? 国語教師講師に聞いてみた。

 

↑活字離れの弊害は、この記事でも紹介しています。

 

おっさんずラブ-in the sky-の賛否

キャストが発表された時点で暗雲が立ち込めてましたよね。

「牧がいない」とか「BL感狙いすぎ」とか、ファンはもう阿鼻叫喚。

まあ私も似たような感想を持ちましたが、なるべくしてこうなったのかなぁ……とも思いました。

 

前作・天空不動産編

まずは前作がヒットした背景から。

「テレビ離れ」が叫ばれて久しく、ドラマといえば刑事モノか医療モノ。恋愛作品は絶滅状態だったドラマ界。

そこに登場した『おっさんずラブ』は、「人が人を好きになること」を男同士が大真面目に演じたところに面白さがあって、“異色のラブコメ”と見せかけて実はとても普遍的なテーマを描いていたんですよね。

ドラマ好きとしては、「どうだ!王道ラブストーリーはこんなにも面白いんだぞ!」と言われているような、嬉しい気持ちになりました。

制作陣が、インタビューで「LGBTの方に配慮して、性的マイノリティであることへの葛藤とか、内面的なことはあえて描かなかった」というようなことを語っていましたが、劇中に差別的な発言をする人は一人も出てきません。

そんな優しい世界観も、多くの人の心をつかんだ要因だと思います。

 

おっさんずラブはBL作品?

深夜ドラマらしく、ひっそり終わっていく感じの方が本当は良かったのかもしれませんが、人気は爆発。

そんなとき、ある友人の一言が、少し心に引っかったのを今でも覚えています。

「おっさんずラブ面白いね〜。私、BLって初めて観たけど良かった!!」

BL(ボーイズ・ラブ)。BLかぁ……。

いや、別にBLが悪いと言っているわけではない。

というか見たことないので誤解があったらスミマセン。

でも、なんだかこの言葉って、色眼鏡というか、差別的なニュアンスが含まれている気がして私はあまり好きではないのですが、どうでしょうか?

 

男同士の恋愛だから特別な訳じゃない

つまり何が言いたいかというと、やっぱり世間的にはまだ「男女の恋愛」と「同性同士の恋愛」を分けて考えている人の方が圧倒的に多いですよね。

映画版を観に行ったときも、悲鳴なのか歓声なのか知らないけど、牧と春田のキスシーンで会場がざわついたんですよねぇ。

男女のキスシーンならそんなこと起こりませんよね?

続編に対して「機長がいつ恋に落ちたのか伝わりにくい」っていう意見もありましたが、そこには「男が男を好きになるんだから、特別なエピソードが必要でしょ」っていう思想が透けて見えるというか。

反対に、強引なキスとかポケットに手をねじ込むとか、「わかりやすい」エピソードに対しては、「安易なBL要素」と批判が集中。

「こういうのが受けるだろう」という制作側の発想は、たしかに安直だけど、実際に喜んでいる人も結構いたんじゃないでしょうか。

千葉くん可愛かったし。

 

まとめ

『おっさんずラブ-in the sky-』が「男同士の恋愛」を強調した描き方になったことと、『3年A組』がヒットした背景は、なんだか似ているような気がしました。

それだけ視聴者の思考力や読解力は低下している(少なくともそう思われている)のかな、と。

 

しかし私も制作に関わる者として、「計算しつくされたシンプル」と「安易」の違いって難しいな、と身につまされました。