2021年末に「ニューズウィーク日本版」で公開された記事まとめです。投資のプロ×著名人による、お金や仕事、人生に役立つ内容なのでぜひご覧ください。
第二の人生を生きる上で必要なこと
この記事は、元陸上選手の為末大氏とひふみ投信のファンドマネージャー、藤野英人との対談動画を文字に起こしています。為末氏は、アスリートのセカンドキャリアや「無報酬」を求めるスポーツ協会の闇など、けっこう踏み込んで話しているな、という印象を受けました。
「元スポーツ選手が経営するラーメン屋」の話はよく聞きますが、上手く軌道に乗る人と数年で閉店に追い込まれる人では何が違うのでしょうか。
日本では「どのスポーツをやるか」を先に決めるけど、アメリカではスポーツの掛け持ちが当たり前なんだとか。いくつかの競技を経ることで、自分に本当に合ったものが見つけられるというわけですね。
ひとつの物事だけではなく複数のチャレンジをすることは、引退後のアスリートのキャリア形成にも大きく影響するようです。これはアスリートだけでなく、一般の人の仕事も同じことが言えますよね。
私が就活していたころは、新卒で一流企業に入社できなかったら(もちろん正社員)人生オワコンと言われたものです。今は転職も当たり前になりましたが、「次に就職する会社を決めてから退職願を出す」のが理想形とされている模様。でも、本当にそうなんでしょうか?
すぐ仕事を辞めても不安にならない理由
何の自慢にもなりませんが、私が今まで働いてきた職場を数えようと思ったら手がいくつあっても足りません。でも、「次」を決めてから辞める決断をしたことは、実は一度しかありません。理由は3つ。
(1)ほかにも仕事があったから
「フリーランスって不安じゃない?」たまに聞かれる質問ですが、正直、ひとつの収入源しかない生活のほうがリスクしかないと思っています。
会社が倒産したら終わりだし、理不尽な扱いをされても我慢しなくちゃいけないし、ケースバイケースですが慣れすぎると向上心も保てないし。一方、複数の収入源を持つことはメンタルを安定させます。「いつでも辞めてやる」というカードを持つことで、案外上司の小言も聞き流せたりして。
つねに複数の選択肢を持つことは大切ですね。
(2)自然に縁が舞い込んでくるから
「次の仕事を見つけてから今の仕事を辞める」これは収入面から言えば確かに安定するかもしれません。ただ、「辞める」決断をしていない以上、危機感が薄いので、「うまくいかなかったら今の職場で働き続ければよい」という考えにつながることもめずらしくありません。
この状況では、良縁がめぐってくることはまず無いと言ってよいでしょう。悪い縁は断ち切らなければならないのです。
逆に言えば、前の縁を切った瞬間に良い縁がめぐってきた場合は、結果論として「切ったほうが良い縁だったんだ」と自信につながりますね。
(3)「なるようになる」と思うから
ブラック企業で精神を病んでしまうのは、「お前なんかよその会社では通用しない」と悪魔の呪文を囁き続けられることが一因だと思います。
ひとつの会社でしか働いた経験がないと「そうかも……」とあやうく信じそうになりますが、これまでに幅広い人に受け入れられたり、評価されたりした経験がある人なら、「何言ってんの、コイツ?」で終わりです。
「この仕事は合わなかったけど、ほかに合う仕事はある」「自分を受け入れてくれる人がいる」と肌で実感していると、思い悩むことも減るのではないでしょうか。
「感じがいい人」になろう!
とはいえ、より多くの人に好かれる自分でいたほうが選択肢が広がることは間違いありません。
次の記事に登場するのは、元マクドナルド店長で、現在は年間300回以上もの講演を行うYouTuberの鴨頭氏。スマイル0円をはじめ、全店同一のサービスを提供するマクドナルドのビジネスモデル、あらためて考えるとすごいな……っていう内容です。
実は「笑顔」や「感じのよさ」は売り上げと密接に関係していているのだとか。「感じがいい人は、誰が見ても感じがいい」って本当にそうですよね。一時期、接客業や清掃業をしていたんですが、利害関係の全く無い人にも感じ良く、親切にできる人は本当に素敵でした。
逆に言えば、「無意識に人を見下している」「偏見が強い」「他人の話に興味無い」など、第一印象で違和感を持った場合も大体当たります。店員さんへの態度がマズい人は人間性もマズいとよく言われますが、自分では「このくらい普通だろう」と思っていても他人から見ると致命的であることは多いので、注意したいですね。
人生の選択肢は多いほうがいい
「今の仕事を辞めようか迷っている」という人は、「辞めるか続けるか」の二択じゃなくて、ぜひ第二、第三の選択肢も考慮してみてほしいなと思います。例えばコッソリ副業するとか、思い切って休業するとか、憧れの仕事にアルバイトで就いてみるとか。
「仕事を辞めるタイミングはいつがベストか」この問いに、明確な答えは存在しません。迷ったら、時には自分の心の声に従ってみる。そうすると、案外良縁に出会うこともあるものですよ。
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