2022年2月15日に、ニューズウィーク日本版 特別編集『未来をつくるSDGs 2022』が発売されました。私は、この中の「ジェンダー」と「金融」の記事を書かせていただきましたよ。
ジェンダー平等を実現する取り組み
SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」。女性や女児に対する差別や暴力を撤廃し、すべての人が性別にかかわらず平等に機会が与えられる社会の実現を目指すものです。
「ジェンダー・ギャップ指数2021」によると、日本の男女平等の評価は156か国中120位。先進国のなかで最低のレベルであり、日本は「ジェンダー後進国」といえます。
そんな日本でも、ジェンダー平等を実現するために「普段着るものから変えていこう」とする動きが近年盛んになっています。
例えば性別違和のある子どもにとって、最初にぶつかる壁が制服といわれます。否が応でも「自分の肉体は男である」「女である」と認識せざるを得ないからです。これを解消する目的で導入されているのが、スラックスを履くかスカートを履くかを生徒が選択できる「ジェンダーレス制服」です。
「かわいい」を着たい男女に応えるアパレル
このように、世間では「男女の垣根を無くす」方向が主流ですが、本誌で取り上げているアパレルメーカー・ブローレンヂさんは、もともと「かわいい服を着たい男性向け」に立ち上げたブランド。
洋服には男性的な骨格をしなやかに、美しく見せる工夫が施されていて、結果的にアスリートなどのがっしりした体格の女性からも支持を得ているのだとか。
かわいい服を着たい=女性になりたい ではなく、「性自認は男性で、恋愛対象は異性である。それでもかわいい服にあこがれる」人も一定数居る、ということが伝わるように、書き方はすごく気を付けました。
ブランドの存在がもっと認知されることで、救われる人も多いんじゃないかなと思います。「男とか女とか関係ない。誰もが自由に着たい服を着ればいいじゃないか!」という主張にとても共感しました。
「いい会社」への100年投資
続いて金融分野で取り上げているのが、投資信託「結い2101」を運用する鎌倉投信。SDGsの言葉が生まれる前から、独自の視点による「いい会社」を選び、投資するスタイルを貫いている運用会社です。
創業当時は「綺麗ごとだ」という声もあったそう。でも今や、SDGsやESGの要素を経営に取り入れない利己的な企業は消費者からの支持を得られず、存続できないとまで言われるようになりました。
金融機関がSDGsやESGの視点に基づいて企業を評価することでその企業の価値が向上し、投資家は利益を得られ、さらにその企業にお金が集まるという経済の好循環が生まれます。だから、金融は持続的な社会の発展を支える役割を担っているのです。
SDGsは2030年までに達成すべき目標ですが、鎌倉投信は特にSDGsを意識しておらず、100年先の未来を見据えているといいます。今後の「結い2101」の運用成績には個人的にも注目したいと思います。
ほかにも働き方や昆虫食、水循環など様々な分野の記事が掲載されています。ニューズウィーク日本版 特別編集『未来をつくるSDGs 2022』ぜひご覧ください。