実録・派遣ライターの失敗談。〜都合よく使われないために〜

派遣
スポンサーリンク

現在放送中の水曜ドラマ『ハケンの品格』でも繰り返し言われていますが、今や派遣社員は企業には欠かせない存在。

にも関わらず、ぞんざいな対応を受けることは珍しくもなく、社会的にも信用が低いとみなされます。

 

メリットもありデメリットもある、というのが現実なのですが(当たり前ですね)

やはりデメリットばかりが強調される点は否めません。

 

新型コロナウイルスが未だ収束を見せないなか、就業に不安を感じる人も多いことでしょう。

とはいえ、どうしても早急に収入がほしい!!というときには大変便利な働き方であります。

 

そこで、過去に私がやらかした失敗談についてお話したいと思います。

同じことをしないようにお気をつけあれ!

 

失敗1:契約外の要求にも「ノー」と言わない

私は、派遣社員として過去5年間で6社(大手出版社、編集プロダクションなど)を渡り歩いており、メリットもデメリットも熟知しているつもりです。

 

こんな時代こそ考えたい。派遣社員のメリット、デメリットは?
新型コロナウイルスにより、さまざまな立場の人が苦境に立たされています。 まず観光・イベント業、次に飲食業。 なかでも、特に苦しい立場に置かれているのは、派遣社員やパート・アルバイトなど非正規雇用の人々です。   厚生労働省の「労働力調査」に...

 

 

まず押さえておきたいのは、企業側にとって派遣とは

「安く使える即戦力」

これ以上でもこれ以下でもありません。

 

だから、以下の記事でも紹介したように、契約書に明記されていないことを平気で頼んでくることは普通にあります。

 

経験者が語る!ココが違うよ、「ハケンの品格」
13年ぶりに復活する話題のドラマ「ハケンの品格」。 いよいよ6月17日(水)から放送スタートします!   前作が放送されたのは2007年。 まだ学生だったので、お仕事ドラマにあまり興味がなかった私。 リアルタイムでは見逃しましたが、2015...

 

私が初めて派遣として務めたのは、某百貨店の広告を制作する会社。

その会社で求められるのは、クライアントや業界に関する専門的知識です。

具体的に言うと、その百貨店が扱うブランドについて理解していなきゃダメだ、との指摘を受けたんですよ。

 

わかりやすく言うと、チラシやポスターでクリスチャン・ディオールとユニクロが並列で載っていたら違和感がありませんか?

高級ブランドとファストファッションブランドでは価格設定も購入層も違いますから、どのターゲット層にアプローチしているのか疑問に思いますよね。

 

今の例はめちゃくちゃ極端ですが、そもそも百貨店が扱っているので基本的にはハイブランドが中心です。

実はハイブランドの中にも微妙な階級(ランク)があるらしく、そこを理解しろということらしいです。

 

当然ながら各ブランドの公式ホームページに「30代前半・年収400万円の会社員向けのブランドです」なんて明確なことは書いていませんし、マニュアルも存在しません。

 

そこで私は尋ねました。

「そのブランドのランクというのは、何を見ればわかるんですか?」

 

すると返ってきた答えは、

売り場に何度も足を運んでいるとわかるようになるから

 

……こんな曖昧な指示があってよいのでしょうか。という点はとりあえず置いといて……

派遣先企業には、コスト管理(派遣社員の残業時間の管理)をする人と、任せっぱなしにする人、2種類います。

私の上司は前者で、残業時間が一定を超えると注意されます。

 

とはいえ、業務量を考えるとギリギリまで残業するしか無い。

しかも職場と百貨店までは徒歩約15分と少し離れていて、仕事中、気軽にふらっと立ち寄れる距離ではありません。

つまり、暗に時間外労働を要求されていたわけですね。

 

一日の業務が終了し、手書きのタイムシートにサインをした後、3時間ほど拘束されたこともありました。

なのに文句ひとつ言えなかった私。本当にバカでした。

 

当時すべきだったこと

当時は、上司の言葉を「はぁ・・・」と受け流し、わずか7ヶ月で辞めました。

もともと長く勤めるつもりはなかったんですけどね。

 

しかし、曖昧にせず、

 

  • 「今の業務量では、現場に立ち寄る時間はありません」
  • 「どのブランドが上とか下とかいうニュアンスは人によって認識は違いますし曖昧なので、明確なマニュアルの作成をお願いします」
  • 「自分でマニュアルを作るので見てください」

 

などと伝えるべきでした。

そして、時間外労働を要求されたらすみやかに派遣会社に連絡して対応してもらう。

これだけのことが、当時は出来なかったのです。

 

嫌われたり、言い返されたりするのが怖かったのでしょう。

 

派遣先企業がすべきこと

認識のズレをなくすには、やはりひと目でわかるマニュアルを作成するのが一番てっとり早いです。

 

「そんな時間無い」なんて言わない!

そもそも、派遣社員なんて3ヶ月契約だからいつ辞めるかわかりません。

人が変わる度に新しく教えたり、「見て覚えろ!」と放置して自然に育つのを待っていたりするのって、コスパ悪すぎません??

 

失敗2:有給を使用せず丸々残った

続いては、「10日間の有給を丸々残したまま辞めた」。

これも上記と同じ会社時代ですね。

 

派遣社員も正社員と同じく、フルタイム就業で6ヶ月経過すると、有給休暇が与えられます。

(派遣先企業からではなく、派遣会社からですが)

 

私は7ヶ月で辞めたので、10日間休む権利があったんですよ。

そしたら、最後の一ヶ月は実質二週間しか来なくて済んだのです。

 

しかし、これも勇気を出せず申告しないまま……。

しかもその当時は交通費も自腹。往復920円なので、通勤するだけで920円×20日=1万8400円もコストをかけているのに!です。

 

有給は会社から与えられた福利厚生ではなく、労働者の権利。

この失敗を未だに悔いているので、その後は全く臆することなく権利を行使しています!

 

失敗3:距離が近くなりすぎた

最後の失敗は、「他の従業員との距離が近くなりすぎた」。

通常、派遣は派遣同士で仲良くなることが多いです。

 

生え抜き社員の場合、なんとなくタイプが似ていることが多いように思いますが、派遣は完全によそ者同士。

気が合うとは限りません。

 

  • 職場の悪口・陰口大好き
  • 文句は言うくせに具体的な改善案は言わない
  • 建設的な話ができない
  • 個よりも集団が好き
  • 人の成功は嫌い、失敗を歓迎する
  • なぜか上から目線

 

こういうタイプが一人でも混じっていると、派遣最大のメリットである「妙なしがらみが無い」が途端に失われます。

 

私も以前、寂しさから休日も派遣のグループで遊ぶような関係性になりましたが、やはりメリハリはきちんとつけたほうがよいと痛感しました。

校了終わりに飲みに行く程度が無難ではないでしょうか。

 

あと、距離が近くなりすぎると、誰かが社員化したときに微妙な空気になりますw

 

まとめ

「嫌われるのが怖くて言いたいことが言えない」と我慢していて、状況がよくなることはまずありません。

逆に、「コイツは文句言わないから」と、ますます都合よく扱われるだけです。

過去に理不尽な要求をされたことや有給を無駄にしてしまったことは本当に悔やんでいますが、逆にこの経験があったからこそ、恐れずに主張することの大切さを学びました。

 

今まで人と言い争った経験がない人にとっては大変勇気がいることでしょうが、失敗しても辞めればいいだけです。

退職することでこれまで積み上げた昇進・昇給がゼロになる正社員と違い、派遣社員が失うものといえば「慣れ」くらい。

 

「あのとき思っていることを言えた!」という実績のほうが、よっぽど今後の人生で財産になるでしょう。

それに、あなたに技術と人並みのコミュニケーションスキルがあれば、次の仕事は見つかりますので、恐れずに邁進していきましょう。

 

過去の私と同じような行動をしている人が、少しでも減りますように!