【第2回】意外と多い!編集者の仕事内容って?

“編集力”を鍛える!
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前回、出版業界の構造と編集者に求められるスキルについて解説しました。

【第1回】出版業界の構造と編集者の必要スキル
はじめに。巷では、「文章の書き方」「SEOライティングのコツ」といった情報が溢れています。ライターになりたい人、ブログを書きたい人にとってはよい時代といえますが、逆に、情報が多すぎて困るといったこともあるかもしれません。 一方、「...

では、編集者は日々どんな仕事をしているのでしょうか?

会社によって進行の方法や、外部スタッフを使う・使わないは異なりますが、おおよそは似たような流れとなっています。

 

一冊の本ができるまで

 

 

一冊の本ができるまでに、大体3ヶ月〜半年ほどの時間がかかります。

上の図は、3月発行予定の本を制作する場合の想定スケジュール。

作業内容の前に示したアイコンは、その作業に関わる人を表しています。

第1回で、「編集者はサッカーでいうところの監督」と申し上げましたが、やはり最初から最後まで関わっていますね。

では、順番に見ていきましょう。

 

企画と制作の流れ

まず必要となるのが企画書です。

その後、営業担当・広告担当などを交えた会議を重ね、発売日や発行部数などが決まります。

その雑誌に広告を出稿するクライアントは、校了までに順次決まっていく感じですね。

 

大枠が決まったら、「台割」を作成します。

これは、どのページにどの企画が入るかを一覧にしたものです。

会議の前にざっくりと作成することもあります。

 

その後、どのページをどう割り振るかを決め、外部制作会社に依頼をします。

このときに必要となるのが「大ラフ」とよばれるものです。

 

「大ラフ」と「ラフ」の違いとは?

そもそもラフとはなんでしょうか。

ラフは、ざっくり言うと「誌面の設計図」。

家を建てるとき、建築士が「玄関はココで……水回りはコッチで……」と図面を描くと思いますが、本づくりでも同じことを行います。

つまり、タイトルや本文が入る位置を決め、導線(誌面を読む順番)を整えるのです。

目的としては、誌面のコンセプトや写真点数をライター、デザイナー、カメラマンに共有するために必要となります。

 

【第3回】本づくりに欠かせない「ラフ」の書き方
第1回・第2回と、前置きとなる出版業界の構造と仕事の流れについて紹介してきました。  今回からは、実践的な技術について紹介していきます。 本づくりのカギを握るといってもよい「ラフ」。実は私自身、誰かにしっかりと書き方を教わ...

 

「大ラフ」と「ラフ」の違いは、簡単に言うと、「取材前」に書くか「取材後」に書くかという点です。

多くの場合、取材以降は編集者からライターへバトンが渡されますが、完全に任せっきりというわけにもいきません。

そこで、「こういう写真を撮ってきてね」「このページの前後には、こういう企画が入るからね」という大まかな方針を示したものをライターに渡します。

 

そして、取材して得た情報や撮影した写真をもとに、詳細な指示を書き込むのが「ラフ」です。

デザイナーはラフをもとに、誌面のレイアウト・デザインを決めていきます。

 

【第5回】依頼をスムーズに!デザイン発注の極意
書店に並ぶ本の数々。どの本を手に取るかを決めるのは、デザインがすべてと言っても過言ではありません。「デザイン」と言うと「色やイラストで装飾すること」と思われがちですが、広義では、「客が書店に入ってから本を購入するまでのすべてを設計する...

 

まとめると、

 

大ラフ……大まかなラフ。取材前に全体の流れをざっくりと書いたもの 

ラフ……詳細なラフ。取材をもとに、デザイナーに発注するための情報をまとめた資料

 

となります。

ちなみに、「デザイン発注時に原稿を完成させてラフと一緒に渡すか、レイアウトが完成してから原稿を書くか」

といったこまかな流れは、会社によって異なります。

 

校正って何するの?

写真と原稿がすべて入り、デザインが完成した状態を「初校」と呼びます。

(何を「初校」とするかは、会社によって異なります)

初校ができると校正を行います。

 

「校正」には、文字校正と色校正があります。

文字校正とは、間違い探しのこと。

大きく分けると、「原稿確認」「内校」「校正チェック」の3種類があります。

「原稿確認」は、取材したお店や人、クライアントに原稿を送り、発売前に確認してもらうことです。

相手によっては無理難題を押し付けてくるため、校正のなかで最も骨が折れる作業と言ってよいでしょう。

 

「内校(うちこう)」とは、社内で行う内部校正のことです。

具体的には、以下の内容をチェックします。

 

・素読み(機械的に原稿を読むこと)をして、文法的な誤りや矛盾点がないか

・表記ルールは統一されているか

・ページ番号は正しく割り振られているか

・修正を忘れている箇所はないか

・ホームページの内容と照らし合わせて間違いがないか

・電話番号は現在も使われているか

 

そして、「校正チェック」は、校正専門のスタッフからの指摘を判断する仕事です。

なぜ「判断」かというと、校正スタッフの指摘は、多くの場合「ここを直してください」というものではありません。

大半は、「これでいいですか?」というもの。

 

例えば、「8ページの表記は『良いです』となっていますが、27ページでは『よいです』。統一しなくてOK?」など。

 

 

どっちでもいいわ!!

 

……という気持ちにはなりますが、とても大切で大変なお仕事なんですよ。

こうした赤字をひとつひとつ確認し、誌面に反映させるかどうかを判断するわけです。

 

【第10回】習うより慣れろ!校正の心得
新人編集者に向けたこの特集も、とうとう第10回目を迎えました。今回は、苦手としている人も多いかもしれない「校正」。誌面の精度を上げる上で欠かせない作業ですが、校正した後の誌面を見れば、その人の性格が大体わかるといっても過言ではありませ...

色校正とは

色表現には、「CMYK」と「RGB」の2種類があります。

ふだん、私達がパソコンのブラウザ上で見ている色は「RGB」で構成されています。

しかし、印刷物では、「CMYK」を使って色を表現することになっています。

 

印刷所へのデザインデータ入稿の際に「RGB→CMYKへのカラーモード変換」という作業を行うのですが、RGBよりもCMYKのほうが、色がくすんで見えるんですよ。

そのため、印刷されてから「思っていた色と違う!!」とならないために、色校正を行うのです。

印刷見本を見て、「写真をもう少し明るく」といった指示を書き込んでいきます。

 

特に、広告を出稿しているクライアントが絡む仕事の場合、かなりシビアに行われます。

 

責了と校了、下版

色校正が済んだら、作業は終了です。

作業が終了すると、編集者から印刷所に「責了」もしくは「校了」と伝える流れになります。

このふたつはどう違うのでしょうか。

 

最後の色校正の時点で、何も修正箇所がない場合、「校了」です。

一方、印刷所に対して何らかの修正を頼んだ上で、最終原稿を確認することなく編集者の手を離れる場合、「責了(責任校了)」となります。

 

会社によって名称違うこともありますけどね。

初校・再校・校了、会社によって呼び方違いすぎ問題
書籍や雑誌、広告制作において、「テキスト、写真、イラストなどの素材(パーツ)を組み合わせて配置し」、「修正を繰り返しながら完成形に近づける作業」を行います。前者は「レイアウト」、後者は「校正」などと呼ばれていますね。そして、校正を行う...

 

これは、責任の所在を明らかにするために使い分けられることが多いようです。

というのも、編集者が最後にチェックした後、印刷所の人為的ミスで、誤ったものが発行されてしまうリスクがあるからなんですね。

 

本来なら、最後の最後まで修正対応をさせるべきではないんですが、スケジュール上、なかなかそう上手くはいかないことも多いです。

そのため、「修正対応をした結果、誤りが発生しても私の責任ですよ〜」という意味を込めて「責了」となるのです。

 

実は校了した後も数日の間なら修正対応をしてもらえることもありますが、「下版」になったら完全終了です。

もう泣いても喚いても、発売日を待つよりほかありません。

お疲れした!

 

非常に多くの人が関わっている!

以上、制作物発行までのスケジュールでした。

ところどころ割愛しましたが、一冊の本が出来上がるまでには、非常に多くの人の手がかかっているんですね〜。

 

本屋さんで本を手に取るとき、少し思い出していただけたら幸いです。

次回からは、具体的な仕事内容とコツなどをお伝えしていきます。

 

 

 

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