【最終回】「編集力」ってなんだろう?

“編集力”を鍛える!
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メディア編集者には必須といえる「編集力」。

編集者といえば、「作家から原稿を取ってくる仕事でしょ?」「取材に行って原稿を書くんでしょ?」というイメージを持たれがちです。

しかし、実はそれらは膨大な仕事のなかのほんの一部。

 

これまで、ラフの書き方や取材アポの取り方、デザイン発注の方法など、さまざまなスキルについて紹介してきましたが、「編集力」は、これらの実務を遂行する中で身につく総合力であると私は考えます。

 

編集力は、本づくりだけでなく、面接やプレゼンテーションから愛の告白まで、さまざまな場面に応用可能。

我々編集者の頭の中で、常に行われている作業を解説します。

 

情報収集〜再構成まで

 

 

本の種類にもよりますが、ざっくり言うと、①企画を作り、②ライターやデザイナーなど、外部制作陣に指示を出しながら、③完成したデータを印刷所に入稿するのが編集者の仕事内容です。

 

【第2回】意外と多い!編集者の仕事内容って?
前回、出版業界の構造と編集者に求められるスキルについて解説しました。では、編集者は日々どんな仕事をしているのでしょうか?会社によって進行の方法や、外部スタッフを使う・使わないは異なりますが、おおよそは似たような流れとなっています。...

 

企画書やラフ作成、取材に欠かせないのが、情報収集力

まずはリサーチのため、書店や図書館、インターネットで情報を集めます。

そして、集めた情報を整理し、同じグループで分類できるものはないか、優先順位が高いものはどれか、など取捨選択をします。

これは、ラフ作成で非常に重要な作業となりますね。

 

【第3回】本づくりに欠かせない「ラフ」の書き方
第1回・第2回と、前置きとなる出版業界の構造と仕事の流れについて紹介してきました。  今回からは、実践的な技術について紹介していきます。 本づくりのカギを握るといってもよい「ラフ」。実は私自身、誰かにしっかりと書き方を教わ...

 

集めた情報をただ並べるだけでなく、読者に最も刺さるコンテンツは何かを分析し、一言で要約できるワードセンスなども必要となります。

情報の切り取り方、優先順位のつけ方などには個性が現れますね。

こうして情報を再構成するわけですが、独りよがりにならないために、物事を俯瞰で見る力が不可欠となります。

 

つまり、初めて見た人にとってわかりやすいものになっているか?一番伝えたいことは何であるか?を、できるだけフラットな目で見る必要があるということです。

物事を客観的に見る訓練は、校正でも培われます。

 

【第10回】習うより慣れろ!校正の心得
新人編集者に向けたこの特集も、とうとう第10回目を迎えました。今回は、苦手としている人も多いかもしれない「校正」。誌面の精度を上げる上で欠かせない作業ですが、校正した後の誌面を見れば、その人の性格が大体わかるといっても過言ではありませ...

 

表記ゆれなどをできるだけなくすことで、より精度の高い原稿が完成しますよ。

 

「俯瞰力」はコミュニケーションでも役立つ!

また、ライターやデザイナーに仕事を依頼する際にも、「どういう指示だったら相手が仕事をしやすいか?」を客観的に考えると、上手くコミュニケーションが取れるでしょう。

丸投げにしておいて後で注文をつける、スケジュールを立てない、指示が曖昧など、ディレクションの下手な編集者は嫌われます。

 

【第5回】依頼をスムーズに!デザイン発注の極意
書店に並ぶ本の数々。どの本を手に取るかを決めるのは、デザインがすべてと言っても過言ではありません。「デザイン」と言うと「色やイラストで装飾すること」と思われがちですが、広義では、「客が書店に入ってから本を購入するまでのすべてを設計する...

 

これは一言で表すと、「面倒臭いことを相手任せにするか、自分でやるか」ということに尽きると思います。

そのためには、二手・三手先を読む想像力も大切ですね。

【第8回】ライターから納品された原稿チェック15のポイント
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すべてのビジネスパーソンに必須の能力!

まとめると、「集めた情報を整理して、読んだ人が理解しやすい形に再構成すること」が編集力といえます。

これは、メディア編集者以外のビジネスパーソンにも必須の能力。

例えば、プレゼン資料を作るときにも必要ですし、普段の会話や、メールやレポートを書く上でも使いますね。

気になる異性に自分の魅力をアピールするときにも使えるかもしれません。

 

これまでに多くの職種の方と原稿のやり取り(赤字のフィードバックなど)を行ってきましたが、編集力が身に付いている方は、もちろんメディア関係者以外にもいらっしゃいます。

取材に慣れているかどうかでは?と思うかもしれませんが、それだけではないと感じています。

原稿のどの部分をどう直してほしいのか、ひと目で分かる方もいれば、著名な方でも、何が言いたいの??と思わざるを得ないこともしばしばあるからです。

校正記号なんて、使えなくても構わないんですよ。意図さえ相手に伝われば。

 

まとめ

メディアに関わる仕事をしていない限り、取材や本づくりに携わることはそう多くはありません。

また、新人編集者やライターだと、なかなか仕事を丸ごと任せてもらえることは少ないでしょう。

 

しかし、普段のメール対応でも、「編集力」を身につけることは可能です。

例えば、伝えたい情報を取捨選択し、文字だけだとわかりにくい場合は添付資料や参考URLを付け、適切な文字量で送る。

これだけでも、十分な訓練になります。

 

LINEが発達して以来、文字による説明を必要としない場面も増えていますが、やはりビジネスでは、メールでのやり取りが基本となります。

「当たり前」と思われることをしっかりやりましょう。

 

編集者やライターとしてスキルアップしたい方はもちろん、「お前は何が言いたいのかイマイチわからないんだよな」と言われた経験のある方は、日常のメールから見直してみてくださいね。

 

 

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