既成概念にとらわれない多様な暮らし・人生を応援するメディア「LIFULL STORIES」にて取材記事がアップされました。幸せな生き方、働き方を目指すために知っておきたい「幸福論」とは?
「好きな仕事をしたい」は甘えなの?
お話を伺ったのは、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授。「幸せとは何か」を科学的に研究する幸福学の第一人者です。
特に日本人は、欧米人に比べて仕事にやりがいを持って働いている人が少ないのだそう。そこには文化的・歴史的・遺伝子的な背景が深く関係しています。
旅をしながら暮らす女性を見て
そういえば昨年、フジテレビの人気番組『ザ・ノンフィクション』で、「旅をしながら生きたい」と話す無職の若い女性に密着している回を観ました。
会社員時代、激務で体調を崩したことを機にいわゆる「自分探し」の旅に出ており、貯金を切り崩して生活。車で全国のお友達を訪ねたりして暮らしているわけですが、母親とはそりが合わず、お小遣い+携帯代全額支払いを受けているにもかかわらず常に喧嘩腰……ってな具合なので、視聴者からは結構な反感の声が挙がっていました。
この女性の生き方の是非はとりあえず置いといて、気になったのは
「好きなことだけして生きていきたいなんて甘い」「みんなキツイ仕事を一生懸命やっている」という声がものすごく多かったこと。
みんながつらい仕事をしているからといって、自分も同じことをしなければいけない理由は一つもないですよね。個人的には仕事が生活の中心になって何のために生きているか分からなくなった、あるがままに生きたい、という考え自体には共感したので、「ああ、こうやって日本人は足の引っ張り合いをしているのか……」と複雑な気分になりました。
要は自分より楽しそうな人を見るとムカつくっていうだけでしょ?
じゃあ、好きなことをするにはどうすればいいの?
独身・フリーランスとして気ままな生活を送る私が、好きなことをするためにはどうすればいいか考えてみました。結論は、「選択肢を多く持つこと」だと思います。
例えば、私が仕事を断る基準は以下の3つ。
(1)金額・スケジュールなど条件が合わない
(2)内容が楽しくない
(3)人として尊重されていないと感じる
特に3番は結構重要で、この業界は契約書が無いのが普通ですから、「スケジュールを押さえているのに直前でキャンセルになる」「しかもこっちから聞くまで連絡はこない」「ギャラの支払い漏れ」といったことが度々起こるわけです。
なんでかっていうと、基本的に下に見られているからだと思うんですよね。
こういうとき、仕事もらっている立場だから……と下手に出るとどんどん自己肯定感も下がっていきます。舐められっぱなしは絶対にダメ。
現状は自分の手で変えられるはず!
でも、失礼な行為をされたと言っても0から100まで程度がありますし、相手にも事情がありますので、自分の感情を優先し過ぎると「これくらいを許せないのは私が小さい人間だからか……」と自己嫌悪に陥ります。
ではどうすればよいかというと、「他の楽しい仕事をたくさん入れるように努める」こと。つまり、(2)の「楽しくない」や(3)の「担当者が嫌」が直接の原因だったとしても、仕事を断る理由は(1)の「忙しい」に持っていくってコト。
わざと断らざるを得ない状況を自分でつくる。そうすると、嫌いな人と好き好んで付き合う必要はなくなり、ストレスが大幅に軽減。新しい仕事を開拓することで収入も向上する……かも。
複数のカードを持つことの重要性
会社員でも、「いつでも辞めてやる」というカードを常に持っておくことによってストレスは軽減されますよね。
幸せとは何か、人によって違うので答えを出すのは難しいですが、毎日を少しでもご機嫌に過ごせるように努めたいものです。
取材後記
余談ですが、記事にもあるようにゲームとか動画鑑賞は受動的な趣味だって話を前野先生としたんです。
私はドラマ鑑賞以外にフルートを趣味にしているんですが、確かに両者には明確な違いがあって、フルートはかけた時間の分だけ自信になるんですよね。「ここまで上手くなったんだ!練習は嘘をつかない!!」っていう少年ジャンプ的な。
だから先生の話には共感していたのですが、この前ふとしたきっかけでスマホの謎解き脱出ゲームにハマってしまいまして。
私は神経質な性格で、仕方のないことをウダウダ考える癖があるのですが、ゲームをやるといい感じに浄化されて、「ま、いっか~♪」てな状態に持っていくことができました。
だから、ゲームをすることが幸せに直結するわけではないけど、幸せを目指す土台づくりには結構役立つのかなと。新たな発見です。
※ゲーム好きの方は色々言いたいことがおありでしょうが、別に批判しているわけではありません。悪しからず※