【第1回】出版業界の構造と編集者の必要スキル

“編集力”を鍛える!
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はじめに。

巷では、「文章の書き方」「SEOライティングのコツ」といった情報が溢れています。

ライターになりたい人、ブログを書きたい人にとってはよい時代といえますが、逆に、情報が多すぎて困るといったこともあるかもしれません。

 

一方、「編集者に必要なスキル」を解説したコンテンツは少ないように思います。

転職サイトなどでたまに見かけますが、現場に即した内容ではないので、あまり参考にならなかったりするんですよね。

 

私も、駆け出しのころはとても苦労しました。

転職回数が多かったので、どの現場でも「即戦力」として見なされていましたが、「実はそれ知らないんです」ということが結構あったり。

 

そこで、実際の仕事の流れや必要スキル、外部制作会社に発注するときのコツなどをまとめていこうと思います。

第1回は、「出版業界の構造と編集者の必要スキル」についてです。

 

<<こんな方にオススメ>>

・将来は編集の仕事をしたい方

・新人編集者だが、なかなか業務を教えてくれる人が周りにいない方

・編集者とうまくコミュニケーションを取りたいライターの方

・なかなか文章が上達せず悩んでいる方

・企業の広報の方

・スケジュール管理能力、論理的思考を身につけたい方

出版業界の構造

 

「編集の仕事をしている」と言うと、「じゃあ取材とかよく行くの?」と必ず聞かれます。

答えは、「行く人は行くし、行かない人は全く行かない」。

 

上の図は、出版業界の構造を表したものです。

編集者が所属しているのは、多くの場合「出版社」。

 

多くの人にとって、編集者=ライターだと思いますが、実際に取材や記事の執筆をしているのは「編集プロダクション」と呼ばれる制作会社であったり、フリーのライターであったりします。

また、図には入れていませんが、書籍の場合は「著者」と呼ばれる有識者が執筆しています。

 

編集者の役割とは

サッカーに例えるなら、編集者が担うのは監督の役割。

ライター、カメラマン、デザイナー、イラストレーターはプレイヤーです。

 

仕事のやり方としては、おもに2種類あります。

 

  1. 編集プロダクション(編プロ)に丸投げ
  2. 自分で指揮をとる

 

1.の場合、企画やスケジュールなど大まかな内容だけ決めて、あとはお任せ。

編集プロダクション、略して編プロは多くの場合、10人以下の小規模集団です。

編プロ内に編集者やデザイナー、カメラマンが所属していることも多いですが、手が足りない場合、さらに外部のクリエイターに発注します(イラストレーターはほとんどがフリーランスです)。

 

もちろん完全に任せっきりというわけではなく、要所要所で出版社の編集者が進行具合や原稿の内容を確認。

また、当然ながら本は出版社の名前で発行されますので、完成した制作物に関する印刷所とのやり取りは、出版社の編集者が行います。

 

物事を俯瞰でみる力も必要

 

2.の場合、編集者がすべての指揮をとります。

記事は自分で書いて、デザインは外部の手を借りるといったパターンも多いですね。

 

外部制作陣をうまくコントロールしながら、自分が思い描いたものをつくりあげる力が必要となります。

 

取次ってなあに?

取次とは、出版社から書籍や雑誌を仕入れ、書店に卸している流通業者のことを指します。

古くから書店に並ぶ本は取次を経由するのが一般的でしたが、これには当然マージンが発生します。

最近では、出版社から書店・読者へといった直販を行う会社も増えてきています。

 

編集者に必要なスキル

 

「出版業界の構造」で解説した通り、編集者は非常に多くの人と関わり合いながら、仕事を進めていく必要があります。

仕事の内容も多岐にわたるため、求められるスキルも幅広いのが特徴です。

 

★企画力 ……つねにアンテナを張り、新しいものを生み出す力

★決断力 ……早期の判断、複数の選択肢から最適なものを選び取る力

★責任感 ……最後まで「監督」としての任務を遂行すること

★コミュニケーション力 ……相手に気持ちよく仕事をさせたり、取材対象者の本心を引き出したりする力

★進行管理能力 ……各方面に気を配り、無理のないスケジュールを組む能力

★対応力 ……臨機応変な判断と対応、柔軟性

 

決断力&責任感って?

仕事を外部にお任せする際も、自分で指揮をとる場合も、基本的に責任者は「編集者」です。

言うことがコロコロ変わったり、決断を先延ばしにした挙げ句、結局ふり出しに戻ったりといったことを繰り返していると、誰からの信用も得られなくなります。

 

また、本づくりには、事実関係をチェックする「校閲」や、表記統一などをチェックする「校正」といった仕事もあります。

石原さとみさん主演『校閲ガール』というドラマで知ったという人も多いのではないでしょうか。

 

校閲や校正はその道のプロですが、全体を把握している編集者でなければ判断できない問題や、気づけない間違いというものが数多くあります。

そのため、最終的には人任せにせず、自ら確認する姿勢が大切です。

 

進行管理能力と対応力

正直、これまで一緒に仕事をした上司や同僚を思い浮かべてみると、「進行管理能力」が欠けている人は多くいました。

その代わり、彼らは「決断力」と「対応力」に優れていましたね。

 

実際、きっちりスケジュールを立てたところで、デザイナーの作業に遅れが出たり、取材が難航していたりと、思うように進行できないことは多いです。

また、私が旅行雑誌を制作していたとき、「現場に行ってみたらお店が閉まっていた」「ロケーションが全然よくない」といったケースが発生したことは数知れず。

こういったとき、その場その場でベストな対応ができる人は強いです。

 

とはいえ、スケジュールを立てる必要はないのかというと、そういうわけではありません。

作業が遅れた分、最終的に泣きをみるのは印刷所。

ほかにも、予定していたスケジュールが変更されたことで、不服に思っている人もいるかもしれません。

他人の時間を無駄にしないためにも、やはり進行管理能力が必須であると私は思います。

 

「企画力」と「コミュニケーション力」は見た通りですが、詳しくはまた別の機会にでも。

 

おわりに。

以上、あまり知られていない出版業界の構造と、編集者の必要スキルでした。

次回からは、実際の仕事の流れについて詳しく紹介していこうと思います。

 

お楽しみに!

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